賃貸マンションの合鍵作成時の注意点
マンションやアパートをはじめ、賃貸住宅に入居する際は基本的にメインキーと合鍵の2本が渡されます。
同居人や実家に住む親など鍵を使う人が3人以上いる場合や、2本あるうちの1本を紛失してしまった時は、合鍵を作る必要があります。
この場合、賃貸契約上は合鍵を作る際に管理会社や大家へ申告することが義務づけられていて、勝手に合鍵を作ることを禁止しているケースもあるので注意しましょう。
しかし、合鍵の作成を申告した場合、退去時に鍵交換する費用の負担を求められるなど借主にとって不利になることもあります。
当ページでは、このような賃貸マンションにおける合鍵作成時の注意点と実情をまとめているので参考にしてみてください。
合鍵の作成はバレる?
合鍵を無断で作ってはいけないというルールがあっても、鍵屋に既存の鍵を持ち込めば簡単に合鍵を作ることができ、個人情報を確認されることもありません。
つまり、自己申告をしない限り、勝手に合鍵を作ってもバレることはないのです。
正規の方法を取りたい方は、事前に申告をして退去時には合鍵を含めて返還するようにしましょう。
ちなみに合鍵の作成費用はギザギザタイプのシリンダー錠で600円前後、ボコボコしたディンプルシリンダー錠で約3,000~6,000円です。
申告によるトラブル
合鍵を作りたい旨を申告して断られることはありませんが、大家さんによっては、合鍵を作るなら退去時に鍵交換の費用を負担するようと言われることがあります。
特に紛失したことを理由に合鍵を作りたいと伝えた場合はシビアな対応をされやすいので注意しましょう。
正規の方法で合鍵を作りたい場合は、賃貸契約を結ぶ時点で「鍵を使う人が多いので合鍵を作っても平気ですか?」と確認しておくとよいでしょう。
入居時に相談しておけば、「それなら鍵交換費用を上乗せする」などと、借主に不利な条件を突きつけられることは滅多にありません。
ルール確認をしておく重要性
賃貸マンションに入居する際は、事前に合鍵や鍵交換の履歴などを確認しておくようにしましょう。
無断の合鍵作成時のトラブルを回避できるほか、セキュリティ面の確認をすることができます。
合鍵を作りたい相談をして「どうぞご自由に作ってください」などと回答する緩い所では、前の住人が合鍵を作って持ったままになっているリスクが高いです。
一部で元住人が合鍵を使って不法侵入するトラブル事例があるので、合鍵のルールと入居時に鍵交換しているかしっかり確認しておくと安心です。
管理がしっかりしている賃貸マンションは、大家の負担で住人が入れ替わる度に鍵交換をしているケースがあります。
また、鍵の管理が適切でなかったとしても、監視カメラが設置されているマンションであれば、元住人が合鍵を使って不法侵入するリスクが低いです。
不安を感じた場合は、実費対応で入居時に鍵交換をしたり、賃貸マンションでも使える後付けの補助ロックを活用したりするとよいでしょう。
鍵交換はできる?
賃貸マンションの鍵はオーナーの所有物になるため、無断で交換することはできません。
ルール上は鍵交換をして退去時に元の鍵に戻すのはOKになっていることもありますが、管理者の巡回などで鍵交換を指摘されてトラブルになるケースがあります。
また、分譲マンションの場合は部屋のオーナーではなくマンションの管理規則の都合で、定められたメーカーの鍵以外に交換することを禁止している場合があります。
賃貸マンションで鍵交換をしたい場合は、必ず事前に確認を取るようにしましょう。
即答でOKと言われた場合でも分譲マンションの場合は管理者(管理人や管理会社)からも確認をとっておくと安心です。
賃貸で鍵をなくした際の賠償義務
大切な鍵を紛失してしまったり、盗難にあって無くしてしまったりすることがあります。
一戸建てであれば鍵屋を呼んで自宅に入ることになりますし、費用は基本的には自己負担になるでしょう。
では、マンションなどの賃貸物件で鍵を無くしてしまったらどうなるのでしょうか?
鍵の交換にかかる費用は誰が負担するのか、しばしば住人と管理人でトラブルになります。
訴訟にまでもつれ込むケースがあるほど、昔からある鍵の問題について解説したいと思います。
鍵の紛失や盗難時の対応と、それに伴う賠償義務について紹介します。
鍵を無くしたら費用の負担は借り主
残念ながら鍵を無くしたら費用は借り主側が全額を負担しなければなりません。
シンプルな鍵であれば1万円程度の費用で済みますが、ディンプルキーなどを使用する鍵は5万円以上の費用が発生します。
貸主側が善意で鍵の交換を行ってくれるケースもありますが、原則として自己負担になると覚えておきましょう。
これについては国土交通省のガイドライン、鍵の紛失または破損による取り換えは賃借人負担と書かれています。
裁判になった場合もこのガイドラインが参考にされるので、鍵の無くした過失は重いのです。
盗難の場合ですが、犯人が逮捕されれば費用を請求することも可能です。
そうでない場合はやはり自分自身に賠償責任があるので、盗難にあわないように注意しましょう。
また、警察に逸失物届けを出すのも忘れないようにしてください。
鍵が悪用されないように、管理人に伝えるのも重要です。
鍵の交換は必ず管理会社へ報告する
紛失や盗難で鍵を無くしてしまったら、すぐに管理会社やオーナーへ相談してください。
自分の判断で鍵を交換してしまうと後でトラブルになりかねないのです。
特にマンションなどの一部施設が共通の鍵になっている場合は要注意です。
場合によってはマンションすべての鍵交換が必要になることもあるのです。
高級なマンションの鍵交換だと50万円以上の金額を請求されるリスクが存在します。
マンションなどの賃貸契約書に鍵の紛失について明記されていない場合でも、過失は借り主側が大きいです。鍵を拾った人や奪った人が悪用して大事件に発展するかもしれないので、下手に隠さず報告しましょう。
原則、紛失や盗難の賠償義務は借り主側にあるのを忘れないようにしてください。
不安な人は鍵の紛失や盗難に対する保険に加入するのをおすすめします。
玄関に鍵を隠すのは御法度!
自宅の鍵を無くして家に入れなくなってしまった、そんな経験を持つ人も居るでしょう。
唯一無二の鍵が無くなれば非常に困りますし、鍵屋や管理人を呼ばなければ問題が解決しません。
無駄な時間を過ごした上に鍵の代金まで取られる、まさに踏んだり蹴ったりの状況です。
こうした問題の解決方法の1つに、合鍵を自宅の玄関近くに隠しておくことがあります。
玄関の近くに鍵を隠しておけば、万が一に鍵を紛失しても安心出来ます。
すべての問題が解決したような気になりますが、玄関近くに鍵を隠すのは極めて危険なのです。
はっきりと断言しますが、プロの空き巣と呼ばれる常習犯には鍵の隠し場所が一瞬で特定されます。
防犯上、玄関の近くに鍵を隠すのはご法度なのを紹介します。
一般人が良く隠す場所
常習的に空き巣を行っている人は、玄関の近くに隠してある鍵をあっと言う間に見つけ出します。
そもそも一般人が鍵を隠す場所は似たり寄ったりで、ある意味見つけやすい状態になっているのです。
最も多いのが玄関近くの植木鉢の下に隠す方法です。
少し地方に行くと未だにこの隠し場所を利用する人が居るので、防犯的にはかなり危ない状態です。
子供の頃に植木鉢の下から鍵を取り出す友達を見たことがある人も居るでしょう。
電子ロックが流通し始めた今、田舎の方が植木鉢の下に隠す傾向が強いです。
次に多いのがポストの中です。
一戸建てでもマンションでもそうですが、ポストの中に鍵を隠すのは安易としか言えません。
空き巣が真っ先に中を調べる場所なので絶対に隠してはいけない場所です。
その他の隠し場所としては、犬小屋の近く、玄関マットの下などが挙げられます。
いずれにしても利便性を考えると玄関の周辺に隠したくなるのが人情です。
しかし、空き巣はそうした油断に付け込んで来るのです。
玄関の近くに鍵を隠すのは絶対にダメなのです。
あえてダミーの鍵を隠してみる
合鍵を玄関近くに隠さないと言われても、紛失したり置き忘れたりするケースは普通にあります。
そうした時に自宅へ入れなくなるのは誰もが避けたいでしょう。
そこでおすすめしたい防犯対策の1つが、あえてダミーの鍵を隠してみることです。
植木鉢の下に5本ぐらい鍵を置いておくと空き巣は混乱するでしょう。
鍵が数十本付いた束を隠しておくのも効果的です。
とは言え、空き巣に入られるリスクは残ったままです。
なるべくなら鍵を玄関近くに隠さず、安全な場所に保管するようにしましょう。
玄関近くに鍵を隠すのはご法度です。
油断大敵な無断鍵コピー
鍵の防犯で注意したいのが無断コピーです。
周囲に鍵を置きっぱなしにしたり、鞄に入れたまま放置していたりすると、悪意ある第三者に合鍵を作られる恐れがあります。
驚くことに合鍵を作る時間は、ものによっては10分も掛からないケースが存在します。
このような短時間に無断コピーが完了してしまうので、いつの間にか他人が自宅の鍵を持っている状態になりかねません。
ちょっとだけだから大丈夫、そんな気持ちで鍵を放置するのは非常に危険です。
常に肌身離さず持つぐらいの警戒心を持っていなければ、トラブルに巻き込まれるかもしれません。
無断コピーされた鍵が犯罪に繋がる
無断コピーする目的は様々ですが、間違いなく悪質な犯罪に繋がると考えて良いです。
相手が女性であればストーカー目的で鍵を無断コピーする事例があります。
現実にあった事件ですが、無断コピーした合鍵を使って自宅に侵入し、女性を殺害することさえあるのです。ストーカー被害に悩まされている人は絶対に鍵を手放してはいけません。
また、空き巣被害も深刻な問題になっています。
空き巣犯のターゲットになった家主は、常に行動を監視されていると思って良いでしょう。
鍵を手放すタイミングがあれば、こっそりと盗まれて無断コピーされてしまいます。
この手の犯罪の厄介な部分は鍵が手元に戻って来ることです。紛失した訳では無いので防犯意識が薄くなってしまい、結果的に空き巣の被害を受けてしまうのです。
メーカーや鍵の番号で複製も可能
まずは取り急ぎ、自宅の鍵を見てみましょう。
表側にはメーカー名が刻印されており、裏面には数字とアルファベットの鍵番号が刻印されているのが分かります。
実はこの2つの情報があるだけで合鍵が作れてしまいます。
インターネットで合鍵を注文する際にメーカー名と鍵番号を入れるだけで完了です。
そのため、会社や飲食店などで鍵を放置するのは非常に高いリスクがあります。
スマホで写真を撮れば、簡単に秘密の情報を奪い取れてしまうでしょう。
預金通帳を放置しているような状態と変わらないのです。
鍵の重要性を再認識して、防犯意識を高めるようにしてください。
甘く見ていると油断大敵となり痛い目を見てしまいます。
そうなる前に防犯対策を行い、必要なら新しい鍵の取り付けを行うと良いです。
犯罪に巻き込まれてからでは遅いので、決して油断してはいけません。
空き巣被害に合うリスクを考えれば、防犯対策に必要な金額は極僅かなのです。
ポストの鍵の種類&防犯対策
昨今は個人情報や宅配ボックスの荷物を狙ったポストの盗難トラブルが増えています。
ポストに鍵をせず、無防備な状態にしてしまっている方も多いのではないでしょうか。
トラブルを防ぐためにも、鍵やポストそのものの変更など、早めの防犯対策を心がけておくと良いでしょう。
ポストの鍵の種類と防犯対策および、よくある犯罪事例をまとめました。
犯罪リスクの高い条件
ポストを狙った犯罪は以下のケースが挙げられます。
・近所の人による犯行
・ストーカーによる犯行
・宅配ボックスを狙った犯行
ポストに届く郵便物の中に、金目の物はほとんどありません。
郵便物を狙った犯罪の大半は個人情報狙いということが考えられます。
家のポストは住所や名前(表札が出ている場合)まで判明しているので、個人情報収集を目的にしている特殊詐欺集団がポストを狙った犯行をすることはありません。
個人で犯行を行う場合が多く、ポストの中身を見てまで個人情報を盗もうとする人は、身近に住んでいる人かストーカーである可能性が高いです。
近所トラブルが多い方や若い女性がいる家は、ポストに鍵を付けるなど入念なセキュリティ対策を講じておきましょう。
また、昨今は通販および宅配ボックスの需要が高まり、宅配ボックスに届いた荷物を狙って、ポストの中身を狙った盗難事件が増えています。
マンションではダイヤルロックの鍵になっていることが多くありますが、一軒家の場合は新築を含めてポストには鍵をつけないというケースがあります。
まずは家のポストの防犯対策を行ってから、鍵の後付けやポストの交換を検討してみてください。
宅配ボックス狙いは厄介
宅配ボックスを利用する場合、宅配業者が不在票などに宅配ボックスに荷物を届けた旨と、宅配ボックスの番号と暗証番号を書いた紙をポストに投函します。
不在票はレシートよりも一回り大きいため、両面テープを貼り付けた棒を使用し、宅配物の情報が書かれた紙を盗むといった事例も出てきています。
つまり、宅配ボックスや不在票の個人情報を狙われた場合、鍵を施錠していても盗まれてしまう恐れがあるのです。
この場合は鍵をつけるだけではなく、不在で受け取れないと分かっている場合は宅配業者に連絡しておく、深い形状のポストに交換するなど、盗まれないための対策をしておくことが大切です。
集合住宅の場合は、管理組合に提案した上で防犯カメラを設置すると良いでしょう。
ポストの鍵の種類
ポストの鍵はダイヤルタイプ、プッシュボタンタイプ、シリンダータイプなどがあり、最近ではダイヤルタイプが主流となっています。
ポストの鍵は玄関・窓・車に比べれば重要性が低く、鍵をかける必要はないと考えられがちです。
主流になっているダイヤルタイプは、左右それぞれの方向に回し、決められた数字に合わせることで解除される仕組みになっています。
アパートやマンションなどのポストに、一番多く取り入れられているシステムです。
ダイヤルタイプはコンパクトで鍵を開ける手間が少ないことが人気の要因となっています。
後付けタイプは南京錠やプッシュボタンタイプなどがあり、南京錠を付ける穴がない場合でも両面テープやポストにビスを打って後付けできるタイプがあります。
ほとんどがネット通販などで数千円程度から購入でき、自分で簡単に設置することが可能です。
ポストの鍵を見直すだけであれば、シリンダータイプの鍵を紛失した際を除いて鍵業者を呼ぶ必要はありません。
また、先述した通り、ポストの鍵をきちんとかけてもポストに入れる穴から盗まれる恐れがあります。
ポストそのものを変更できる場合は、郵便物の投函穴から盗むことが難しくて備え付けの鍵が付いているポストへの交換を検討してみてください。